伊藤邸(旧王寺)庭園


伊藤邸(旧王寺)庭園

所在地:南淡町沼島  所有者:伊藤 豊

作庭時代:江戸時代初期 池泉観賞式庭園  総面積:約354u

 王寺の森を背景に傾斜を利用して庭園が作られたのは、室町時代と
の説もある。しかし、これには作庭手法や歴史的考察からの反論もある。
だが、孤島に存在する貴重な庭であることには何らかわりはない。

 本庭は、王寺の森を背景に、黒色片岩の岩盤を利用し、緑色片岩や
黒色片岩の石材を利用して石組を施している。中でも、南部には150cm
高の立石をはじめ斜石が目立ち、崩れている石組も見られるが、力強さが
感じられる。

 岩盤を残して造った四島のうち、北部の一島は護岸の一部と考えられな
い事もないが、一応、平面的には四島となっている。構成的には、平面的
にも立体的にも変化があり、なかなか見どころの多い岩島である。

 石橋(自然石)は沢渡石よりいったん岩島に
わたし、対岸へと二橋架けている。手前は長さ
248cm、右に大きく曲げて127cmと、二橋を
高く架けている。また、対岸からもう一橋、
198cmの石橋(自然石)を最も大きい中島に
架けている。

 樹木は王寺の森に生えている常緑
広葉樹が多いが、その他イチョウ、
カエデ、ウメ、マキなどが植えられている。

 黒色片岩の裂け目を巧みに利用している
ため気勢が生じ、神秘性が生まれて力強く、
しかも立体感にあふれた一庭である。